波飛沫に笑いがこぼれる

ささ

2014年04月23日 09:10


今週末は微妙だった。日曜にかけて海況は下り坂である。そこで随分と留守にしていた海へ出ることにした。ここは奥深い湾になっており強風を遮ってくれるだろう。
久々にタイラバをしたい。状況によってはベイトが湾に押し寄せ魚探が真っ赤になるのだ。それが終わったら深場調査に移ろう。150m以深をバンバンと狙い撃ち、居残る青物の可能性を確かめたい。

まずは港から20分のところ。船団に混じってタイラバを沈める。しかし気をつけなければならない。漁師である船団はビシ仕掛けを微速前進で潮上に向かって流している。つまり潮下にドテラで流していくプレジャーと交差するのだ。タイラバをスローに巻きながら視線はいつもきょろきょろ。漁船がマイボートに向かってきたら仕掛けを引きずってでもこちらが移動する。私だけ違う動きをしているのだから仕方が無い。乏しい反応の中、何度も流したがアタリはなかった。漁船も釣れていないようだ。ならばここに留まる理由はない。予定している次の場所へ移動しよう。

2カ所目は更に沖である。ここは潮の当たる場所に魚礁を沈めてある。カブラで底を叩きながら通過するとベイトが映った。が、お世辞にも充分とはいえない。仕方なくそのまま流していく。随分流れたろうとGPSを見れば、大して移動していないことに気づく。原因は風と潮がぶつかっており流れを抑えているのだ。おまけに狙ったコースにも乗れていない。波は1.5mを超しており、何度か流し直すものの白波に阻まれ思う潮上へ移動できなくなった。結果を出したかったがここを諦め初めの場所に戻ろう。これ以上の調査は望めそうにない。






いざ、最初のポイントまで戻るのだが、帰りの向きは風と波の角度が入れ替わるためスプレーを浴びまくる。バウのチャインで払った飛沫が風に乗って降りかかってくるのだ。
「うはっ!」
思わず顔を背けスプレーをかわすが戻すタイミングで第二波を被る。浴びた海水で帽子が冷たい。次に低く舞ったスプレーはすべてジーンズへ降りかる。片方はびしょ濡れだ。これはたまらない。けれど不思議に笑いがこぼれる。不快なはずのスプレーに笑いが止まらないのだ。
「これよ、これこれ。」 
海に出て濡れないなんてあり得ない。ミニボートならなおさらだ。私はいま海にいるのだ。そして大海原を疾走している。波をかわすためのジグザグ走りなどしないぞ。バンバンと波を叩いてやる。絶大な浮力を持つバウが次なるスプレーを舞い上がらせるけれども、今日は気にしない。海の男は潮を被ってなんぼだ。相変わらず笑いが止まらない。気がつかないうちにストレスが溜まっていたのかな。ここで大いに発散しよう。こりゃぁ、人は乗せられないな。





果たして魚は釣れた。アマダイである。ラインを長めに出して底を長く引くアプローチに食いついてくれた。 「クン・・ クン・・ 」と遠慮がちなアタリだったので、ゆっくりと大きくアワセる。さぼど暴れることもなくスンナリとそれは上がってきた。漁師の視線が突き刺さる。
もっとも本命の真鯛ではなかった。けれども諦めた漁船が一隻一隻と帰って行く中、なんとか格好がついた。それに初めて釣る魚なので思いのほか嬉しい。


これで今日の釣りは終わった。調査ができたかと言えば失敗である。とにかく風が強く波が高かった。想定外であった。
ここは、よほどそのタイミングを熟知していなければ釣果に繋がらない印象がある。とはいえ、中深海といえるDEEPにはお宝が潜んでいるのではないか。日を見つけまたチャレンジするつもりでいる。




(え~と、作文に調子が出ないので「ですます調」をやめてみました)






帰りに試した「マグロステーキ」です。
こういうの否定派なんだけど、物は試しってことで。









あなたにおススメの記事
関連記事