今年の釣り納めは大変厳しいものとなりました。まるで一年をかけた好調のツケがまとめて帰ってきたようでした。今回はそんな報告です。
港に着いたのは6時半。日の出が遅くなった今ではゆっくりと支度ができます。空が白み始めた頃合いを見て出航しました。今日の天候は曇り。いい時間帯が続くんじゃないか。
ところが最初のポイントがダメ。
次に沖に出ますがここでもダメです。ベイト反応が薄く、小魚が底に張り付いている状況です。ならばスローピッチで底を中心に攻めるところですが、予想に反して北風が強いです。ボートがあっという間に流されます。260gのスライドジグが斜めに沈んでいき、底をじっくり探れる状況にはありません。仕方ない。ブリポイントをあきらめます。
またポイント移動。
次に選んだ場所は深場の人工漁礁帯。ここで勝負に出ます。このポイントで出なければ正直言って今日は厳しくなります。ところが運悪く潮が止まりつつあります。GPSに打ち込んだポイント群の上をボートは流れていきますが、これは風で押されているだけです。おまけに震えるほど寒いんです。細かなことに集中することができません。そこで選んだのが電動リールによるヘビータイラバ。巻いては落とし、巻いては落としを電気の力で繰り返します。すると、・・コツッ、・・ コツッ、・・ マダイらしき当たりです。でも針が口の中に入っているのか外掛かりしているのかわかりません。そこで、思わずモーターを早回ししてしまいます。すると、フッとアタリはなくなりました。やっちまったなぁ・・ 失敗です。でも魚のいる場所はわかりました。もう一度ボートを回し、底を中心にじっくり誘っていきます。するとまた控え目なアタリです。そこで今度はゆっくりとあわせました。重さが乗り、フッキングが決まったかに見えましたが、またもや抜けてしまったのでした(ガックシ)。
これで意気消沈。パターンは完全に「真冬型」です。
仕方がない。ターゲットをイチかバチかのネリゴに変えます。
以前は50cm前後の個体が群れをなして固まっていた場所。だけど、ここ数年はまったく影が見えません。他船に見つかって根こそぎ持って行かれたかなぁ。そう思いながらそろそろとポイントを通過します。そして案の定、影はありません。
次は、70mラインの背がぶつかる谷の道です。いよいよ魚が見たくなりました。そこでDEEP一つテンヤを選びます。ぶら下げる鉛は8号(30g)です。す~っとリフトし、ワームが水平になるようにゆっくりと沈めていきます。するとグッと引き込むアタリ。よし!とあわせ、ロッドを立て気味に巻き上げます。穂先は逆Uの字に曲がったまま、時折クッ、クッ、と反応するだけ。もしや・・との思いは正解でした。エソです(ヤッパリ・・)。
さぁ、どうしたものか。周りの船は移動を繰り返しています。どれも魚の居場所が見つからないのです。そういえば、以前、深場から駆け上がった段の角にネリゴが集まっていたことを思い出しました。しかし、方角的には沖に戻ります。港からまた遠のくのです。「やめようか・・」という気持ちになります。が、もう一人の自分が「最後までやりきったのか?」と語りかけてきます。「釣り納めなんだろう?」と。そう言われては無視できませんよね。とにかくそこへ移動です。
時間を掛けて移動した先には、やはりネリゴの影はありませんでした。船団はあるものの、釣れているふうではありません。ならば、段の上の浅場でフィーディングに入ったやつを狙います。舌のように張り出した根の縁をボートでなぞっていきます。ここでも小さなベイト反応ごとに一つテンヤを沈めます。しかし釣れるのはエソだけです。 「はぁ・・」 思わず溜息が出ました。もういい。今日はダメです。もう、この状況で釣りあげる力はありません。最後にカンパチポイントを通過して帰りましょう。そして。
・・お察しの通り、そのカンパチポイントももぬけの殻でした。たまにお魚マークが現れますが単発で回遊するヤズでしょう。スローピッチでフォールさせたりスピニングでジャカ巻きながら何度か流したら、気持ちがスッキリしました。狙った魚は一尾も釣れないのに、心地よい気分です。やりきったという感じ。十分満足。
ということで、好調だった一年の締めくくりはボウズでした。思えば、ここへ通い始めた頃はボウズが当たり前。偶然ハタでも釣ろうものなら大騒ぎでした。
あれから数年が経ち、ボートを持って10年になります。随分と上達したように思えるものの、この「やりきったすがすがしさ感」はめったに感じられるものではありません。この釣り納めで十分結構。
こうやって私の一年は終了しました。さえない終わり方でしたが十分満足です。
一年間のご愛読をありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
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