ついにこの日が来たか・・・ って感じでしたね。
遙か沖の、その島のまた沖で、です。
まずは小粒のヤズを釣っては逃がしていました。
そしてまた移動だとリモコンを押し込んだところ、
「ブブブッ・・」
エンジンが吹けません。
変わりに警告灯かがけたたましく鳴り響きます。
「な、なんだぁ・・」
タコメーターを見ると、オーバーヒートの警告ランプが点いています。
今までに何度か鳴っていましたが、エンジンに影響が出たのは初めてです。
振り向けば、船外機から白煙が立ち上っています。
チルトアップし、船外機の冷却口を見ますが何も詰まっていません。
原因が分からない。
「やべぇんじゃねぇかぁ・・」
表に出せない冷や汗が心に流れます。
解説書を読めば、「オーバーヒートした場合、3000回転を過ぎるとレブリミットがかかる」と書いてありました。エンジンが息吐いたのはこのことです。
とりあえず冷えるまで、3000回転以下で走りましょう。
浮き足立つ気持ちを抑え、ゆっくりと岸へ向かいました。
ある程度走ったら、一旦冷やすために中立で釣りをします。
すると、「ボボボ・・ ボ・・ 」
とうとうエンジンが止まっちゃった。
ぞっとしました。
どうにもエンジンはかかりません。
恐れていた事が現実になったと、今更ながら震えます。
さっきまで近くにいた漁船がこんなときにいない。
遙か遠くに見える船にタオルを振っても全く気づく様子はありません。絶望的。
ならば、あとは漂流。 流されるままです。
今日は波高が1mから2mへ。
一段と風は強まり、だんだんと波も高くなってきました。
「どうしよう・・どうしょう・・」
冷静な中にも恐怖感が募っていきます。
悩んだあげく、契約しているマリーナの関係者に電話を入れます。
するとその方が、近くにいるだろう漁船に声を掛けてくれることになりました。
その漁船は仕事を止めてこちらに来るわけです。
数万円の出費を覚悟しました。
ところがボートをなかなか見つけてくれません。すごくじれったい。
数キロ先からは、黒ハルは特に見えづらいんだそうです。
バッテリーの切れかかった携帯を手に何度も何度もかけ直し、その都度位置確認します。
Uさんがタオルを振ってくれます。
そして、やっと気づいてくれました。
アンカー用のロープを漁船に投げます。
ロープの間隔は両船の和の3倍程度と学びましたが、長くするなと指示されました。7mくらいだったかな。
それにしても、ゴンゴンと牽かれる安心感ときたら・・
「これで助かった・・」というUさんの言葉が心に染みました。
だけど、こんな思いをすると、ボートや釣りへの想いが潰えそうになります。
くそっ!こんなんで折れてたまるか!
負けてたまるか!
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