2006年08月20日
(旧・過去ログ) 隅田川シーバスを狙う

2006.8.20~24 中潮→大潮
平成17年の社労士試験に合格した私は、社会保険労務士会に登録をするため、全国社会保険労務士会連合会が指定する事務指定講習を受けることにした。この講習は、登録するに当たって2年間の事務経験が必要というハードルを短縮してくれる。多くの合格生と同じように、私は東京へ出かけた。
この講習は4日間連日で行われ、修了に併せた試験もない。だから夜はフリーというわけだ。わざわざ東京まで出向いたのだ。この手を逃す手はない。夜のシーバスフィッシングを第2の目的と定める。
では、どこでシーバスを釣るのか。東京湾なのかそこへ流れ込む川なのか。私は迷った末、路線が多く駅から近い隅田川に決めた。


東京へ着いて早々、まずは隅田川に近い釣具店へ向かうことにした。東京に来たからには“世界のEIZO”に会いたい。
いくつもの地下鉄を乗り継ぎ、地下鉄半蔵門線の三越前駅で降りた私は、数年前に歩いた記憶を呼び起こし、「釣り道楽SABALO」を見つけることができた。しかし、残念ながら当日日曜日は定休日らしく、シャッターが閉まっている。
ならばと、明るいうちに近くの川をチェックすることにした。まずは一番近い日本橋である。


着いて驚いたことに、本来有名であるはずの日本橋は、現在は高速道路の下に隠れている。ここ東京は日本の代表なのだ。利益を追求するあまり、大切なものをないがしろにしてきた日本の姿が現れているように感じられた。
しかし、皮肉なことにシーバスのつきそうなポイントは無数にある。高速の橋脚がそれだ。日中では障害物に寄り添っていることだろうと、壁際や橋脚直下を狙ってみる。しかし反応はない。自作スピナーベイトをロストしてチェックを終える。
後で確認したことだが、ここは隅田川の外堀にあたり、釣れるポイントではないらしい。しかし、川沿いを釣りしても問題がないことが併せて確認できた。明日の出直しが楽しみである。


さて、月曜日になり事務指定講習の初日を終えた私は、前日と同じように釣り道楽SABALOへ向かった。今度はシャッターが上がっている。数年ぶりに玄関をくぐった。
“世界のEIZO”こと丸橋英三さんは、今回も当たり前のようにそこにいた。大分から出てきたことを伝え、タグ&リリース大会の時にご一緒させていただいた旨話す。私との面識は薄いものの大分には縁の深い丸橋さんは、何かと話をしてくれる。
楽しいときは過ぎ、私は探していたザウルスのトビペンを購入すると隅田川への道を聞く事にした。隅田川にはかなりの距離を歩くらしい。しかし、ここまで来たのだ。釣りをせず帰るわけには行かない。私は教わった道を延々と歩き、隅田川へ向かった。


20~30分は歩いたろうか。ヘビのように曲がりくねった高速道路の下に隅田川が見えてきた。
まずは川に対して手前の岸から狙ってみる。場所は両国橋だ。店で聞いたとおりホームレスがたくさんテントを並べている。橋のシェードを狙うため遊歩道の手すりに近づくと、小便のにおいが鼻を突く。ホームレスの仕業だろうが、魚を釣ることの方が重要だ。気にしないよう務めながらキャストを繰り返す。しかしアタリがない。
次に両国橋を渡って対岸に移った。ここから上流を目指す。
次の越前橋まで、遊歩道をテクトロをしながらすすむ。時折護岸にパイプやらハシゴがついており、まじめに丹念に攻めるが反応はなかった。


越前橋についた。ここでもやはりホームレスはテントを並べている。ルアーのフックを引っかけて賠償問題にされないよう後方に気を遣いながらここでもキャストを続ける。
橋の明暗、アップクロス、ダウンクロス。様々にコースを試すが反応がない。「いればすぐ食いついてくるよ」という丸橋さんの言葉がからかいに聞こえてくる。
一旦イメージをリセットし、今度は川底を探ってみることにした。プレッシャーが高いのでは?という疑問が生じたからだ。以前、夜の博多港で釣りをしたときと同じ状況を判断した形だ。
ルアーをカウントダウンに変える。これには板重りを張り付けている。
沈む時間を考慮に入れ、上流にキャストする。底についたら水面に向け少しだけリトリーブする。そしてまたカウントダウン。ボトムタッチを繰り返し、位置を変えながら探り続ける。
するとシェードの下流側で小さいアタリがあった。この感触ひとつで魚はかなりスレている事を確信する。ここは大都会東京なのだ。こんなお気軽なコースでは、連日連夜叩かれていることだろう。私は釣り方を完全にボトム探しへと切り替えた。


以降、厩橋(うまやばし)から駒形橋までを同じ手順で攻めた。途中、台船があり遊覧船が停めてある。案の定、他のアングラーとすれ違う。すでに攻められているであろうポイントを、自分なりの解決策で狙ってみる。
あれは鉄橋を過ぎた駒形橋あたりだったか、やはりシェ-ドの下流側でロッドに重さを感じる。
「ゴミを引っかけたか」と気を抜いてリトリーブしていると、水面で“バチャバチャッ!”とエラ洗いが起きた。シーバスだったのだ。
「ええっ??」っと驚き我に返ったときは時すでに遅し。すでにシーバスはフックアウトしていた。
サイズはどれほどだったろう。40cm程度のセイゴではなかったろうか。しかし、ちゃんと掛けたことで自分の判断が正しかったことがわかった。
次に問題になるのがどうやってキャッチするかだ。他のアングラーはネットを持ち歩いている。ここの遊歩道は策の丈が高く、針がかりさせても手に取るのは難しいように感じられる。
とにもかくにも今日は自分なりの答えが出せた。一息ついて時計を見れば、時間はすでに10時を廻っている。終電に乗り遅れるわけにはいかない。田舎者は来た道を早足で戻り、
帰り際にじっくり攻めることはしなかった。


久々の東京と言うこともあり、大学の友人が2日間、私を誘ってくれた。これはこれで十分楽しかったし、貴重な時間を有意義に過ごすことができた。
が、やはり先日のバラシが悔いに残っている。夜としては最終日の24日、最後のチャレンジに出かけることにした。
今度はSABALOに寄ることなく、都営新宿線で直通の浜町駅から隅田川に向かうことにする。2日目、最初に攻めた両国橋から今度は川下に向かう形だ。
向かった最初の橋は新大橋。グリーンのネオンが美しい大きな橋だ。ここもまず手前から攻め、対岸に渡る。
今晩もボトムねらいを頭に置いていたが、何気ない表層リトリーブでアタリがあった。これでペースが乱れる。先日と同じようにあれやこれやと迷っていると、どうしても狙い方が散漫になってしまう。
そして対岸の遊歩道を上流に向かって歩いていくうち遊歩道を遮る水門にぶつかる。ここは面白いポイントであったがそれ以上先に進めない。
引き返し、新大橋をぐるっと回って上流に向かうコースが残された。しかし、連日の遊び疲れがそこまでの気力を失わせていた。ここで東京のシーバスフィッシングを終了することを決める。
今回のポイント
1.釣り方がわからないときは自分のパターンで考える。
2.ローリングベイトを底に落とし、リーリングせずロッド
を立てると流れに押されてルアーが底を叩きながらドリ
フトする。新しいリトリーブを見つけた。
3.狙いが底ならアンダーショットリグでも面白かろう。
Posted by ささ at 00:00
│サーフ・岸ジギ