釣り人目線でDIVING
9月に入って水温が落ちてきました。この日、コンディションは良くありませんでしたが、前日には黒潮が入っていたそうです。海の状況は日によってまちまちです。
今回はただ潜るだけじゃなく、釣り人の感覚で海の中を覗いてみたいと思います。
場所は岸の近くになります。機材を背負っているとはいえ素の人間ですから、深く潜っても30mくらいです。したがって沖に出ることがなく、磯に立つ釣り人とバッティングすることもあります。
海の中から見上げる水面はこんな感じ。エサとなる小魚を確認できるのは、ほぼシルエットのみです。下から見上げる魚には、ルアーのカラーがあまり意味をなさないことが理解できると思います。それは深場も同じで、光量の少ない場所ではどんなカラーも白黒なんです。
さて、潜行します。
根の周りにはイワシの群れが着いていました。ある程度同じ所を回っています。じっと固まっているわけではありません。
これは切り立った根です。流れが強ければこういう場所に魚が着くのでしょうが、流れの緩いここにはハナダイやスズメダイくらいなものです。当然、魚探にはばっちりベイトの群れとして写ります。「このベイト反応ならブリがいるはずだ」と粘ってみても、無駄なのが理解できると思います。魚探の反応はいいのに魚が釣れない事の多くは、案外こういうことかも知れませんね。
岩のスリットに仕掛けが落ちたら、まず回収不能です。
ところが、同じ流れのない場所でも、ちょっとした違いで、こういった大物(写真はブダイ)が泳いでいます。目立った理由は見つからないものの、同じ場所に数尾の集団で居着いていますので、釣りにおいてハニースポットを見つけ出すのはとても有益なことだろうと思います。
沈む岩場は一見なだらかなように見えますが、底にはテーブル珊瑚がひしめいています。根掛かる要素は至る所にあります。
釣り魚としては、ハタの多さが目に付きます。しかし、どれも30cmほどの小型です。偶然、大型が回遊してくる・・なんてことも過去に経験がありません。やはり大型を狙うならDEEPなんでしょうね。
それと、こういった魚は根と根の間にある道やオーバーハングした岩の奥にいます。ジギングの場合、上手に送り込んでいく重要性に気づきます。
そして釣り糸です。仕掛けからしてイサキ釣りでしょう。長~く送り込んだ結果、PEラインがハードコーラル(硬い珊瑚)に立て続けに引っかかって切れていました。そして漂ったラインが絡みついています。こういった光景は、ダイバーの目からは、とても印象の悪いものです。釣り人に対する印象もしかりです。中には根掛けてラインブレイクさせても「仕掛けがもったいなかった」で終わる方もいらっしゃると思います。見えない世界ですからね。釣り人でもある私は、気持ちに引っかかるものがあり、これらを回収して上がりました。
海の中を知ると、釣りに対する考えが変わります。それは雑誌に書かれているいかにもな理屈に対してです。だから潜ってみろとか言うわけではありません。まぁ、「こんなもんですよ~」って。そんな感じです。
おしまい。
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