① はじまり

はじめは遊びで乗ってみたいというのが本音だった。遊びとは軽い気持ちということだ。10万円以下でもいいから車検切れをオークションで引っ張ってもらい、これに車検を通して購入する。つまり、修理工場とはウィンウィンの関係である。

きっかけは息子にかかる免許取得である。マニュアル操作の体得が必要であることを理由にロドスタを買う。そして手渡すまで私が遊ぶ。

私はこれをロドスタ乗りである知人に話した。ところがその人はいい顔をしなかった。意気揚々と話す姿を見兼ねたのかもしれない。

しかし私の考えは決まっていた。タマ数が多い上に20年落ちである。探せば手頃な車体は出てくるはずだ。これに残しておいた予算を充てる。車高を上げ、ロングツーリングに足る柔らかな足回りとする。車高を下げてゴトゴト走るようなクルマにはしたくない。アンチでもいい。そうしてしまえ! そう考えていた。私はロドスタを軽く見ていたのである。

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