2006年06月10日
(旧・過去ログ) 息子にファーストフィッシュ
2006.6.10 大潮 無風 水温16℃
国東半島の東側が釣りやすいと知って、長男をセイゴ釣りに誘うことにした。
「オレも釣りに行きてえ」と久しぶりに息子が言ったからだ。
「明日、釣りに行こうかなぁ」という思わせぶりな私の発言に、思わず飛びついてきた形だ。
「なら、早起きできるか?」と念を押す。息子は「できる」と言う。ならば断る理由はない。
朝の3時に目覚ましをかけ、4時に家を出た。
午前5時の港は、うっすらと夜が明け始めていた。
夜中に出かけた理由の一つに、“夜のストラクチャーに集まるシーバスを狙う”というものがあった。だがこれはもう無理である。
スロープからボートを降ろす。近くにボートを係留させる。車に戻って空き地まで移動させる。ボートに戻ってロープを外す。出船するとき夜はすっかり明けていた。

まず向かった先は、北側のストラクチャーだ。
実績のある三本足のストラクチャー付近をミノーで攻めてみるが反応はない。どうも魚は浮いていないようだ。
それではと、ルアーを自作スピナーベイトに変える。障害物直下、岸沿い、その間、いろんなところに深度を下げて引いてみるが反応はない。
魚探のフィッシュマークもポツリポツリだ。
キャストすればすぐ釣れると吹き込まれていた息子は、寒さを訴え縮こまってしまった。
ここはなんとか釣って見せなければ、息子の“やる気”はすぐさま“帰る気”に変わってしまうだろう。加えて「やっぱり釣れんかった」と嫁に言われるのもしゃくではないか。しかし、手を尽くすが反応はない。
そこで釣れた前回と比べることにした。前回は下げ潮で今回は満ち潮である。つまり潮の流れる方向が前回と違うのだ。流れる潮が岸壁にぶつかっていない。これではシーバスのエサとなる小魚=ベイトがこの一体に集まらないではないか。
対処法はすぐに出た。
「場所を変える」
そう、ベイトがいなければシーバスは釣れねぇ・・のである。
この手の切り替えは、スパッとして早いほうがよい。同じ場所で粘り強く頑張っているうち、他の場所でのチャンスが逃げてしまう。
南側のストラクチャーへ向かった。
途中、海保のブイをジギングで攻めたり、岸壁に積んであるテトラポッドをバイブレーションで攻めてみたが反応はなかった。
さぁ、着陸側のストラクチャーだ。
前回は、沈めた自作スピナーベイトを巻き上げる過程で反応があった。
今回もそれに倣って障害物直下を攻めてみる。が、反応はない。どうも何かが違う気がする。
息子は、シートの上でとうとう横になってしまった。
「これはまずいなぁ」とボウズを想像し始めたとき、東京湾でのシーバスジギングをふと思い出した。この東京湾でのシーバスジギングとは、メタルジグをただゆっくりと巻き上げるだけの手法である。私はそれまでのハイピッチショートジャークをやめ、スローに巻き上げてみることにした。
するとどうだ、一発目でヒット! 上がってきたのは30cmのセイゴだった。東京での“ご当地作法”は、ここ九州でも有効だったという事か?
するとこれを見ていた息子が起きあがった。
「お父さん、釣れたん?」
これは“釣れる状況になったのか?”という確認だと感じて、「今日の釣り方を見つけたぞ」とお父さんは誇って伝えた。
釣りの面白さには、“その日の釣り方を見つける”という部類があり、多くの範囲を占めている。もちろん息子に理解できるわけもないが。
釣り方を教えられた息子は、その後オニカサゴをつり上げる。これは通称「ホゴ」といって煮付けにすると美味い。他に50cmほどのフッコをバラした。
土壇場で見つけたこの釣り方は、細かなロッドワークも必要ないからファミリーフィッシングに向いている。結果はオーライだ。

今回の目的には、息子に釣らせることの外に、初導入したハンドコントローラーを試すことがあった。これを駆使して、一本一本の誘導灯をなめるようにボートをアプローチさせた。
こんな時、ハンドコントローラーはとても有効だ。フットコンでは難しかった推進力の調整も、ボートを左右に向ける操作も、バウレールに結びつけたコントローラーで細かく瞬時に調整できる。
その後息子に操作を任せたが全く問題はなかった。それだけボートコントロールがたやすくできると言うことだ。
フットコンからハンドコンに変えたが納得のいく結果となった。
釣りも終わり、今回はいいことが2つあった。
ひとつは息子に釣らせることができたこと。子供に有効な手法を見つけたし、何より息子が面白いと感じたことだ。
次に、海に落ちたフットコンの代わりのハンドコンが想像した以上に有効だったこと。一回の釣行時間のうちでも長く使っている。もう、エレキ無しでは釣りにならないと感じるほどだ。この2つはうれしい出来事だった。
対して、悪いと言うか恐ろしいことが一つあった。
それは私のボートの案外近くで海難事故が発生していたことだ。
手を替え品を替えあれこれと試している私のボートのすぐ近くを、漁船が凄い勢いで何度も通り過ぎていった。
水平線の向こうには、貨物船らしき影と、いくつかの漁船らしき影が見えていた。
まさか、見張り不十分の貨物船に漁船がぶつけられていようとは、そのとき思いもしなかった。
港沖7kmでの事故だ。
漁船は真っぷたつに折れ、70歳の船長が亡くなった。
これは対岸の火事などではではない。
海は常に裏腹なのだ。
自分に十分言い聞かせねばならない。

今回のポイント
1.
2.
3.
4.
国東半島の東側が釣りやすいと知って、長男をセイゴ釣りに誘うことにした。
「オレも釣りに行きてえ」と久しぶりに息子が言ったからだ。
「明日、釣りに行こうかなぁ」という思わせぶりな私の発言に、思わず飛びついてきた形だ。
「なら、早起きできるか?」と念を押す。息子は「できる」と言う。ならば断る理由はない。
朝の3時に目覚ましをかけ、4時に家を出た。
午前5時の港は、うっすらと夜が明け始めていた。
夜中に出かけた理由の一つに、“夜のストラクチャーに集まるシーバスを狙う”というものがあった。だがこれはもう無理である。
スロープからボートを降ろす。近くにボートを係留させる。車に戻って空き地まで移動させる。ボートに戻ってロープを外す。出船するとき夜はすっかり明けていた。

まず向かった先は、北側のストラクチャーだ。
実績のある三本足のストラクチャー付近をミノーで攻めてみるが反応はない。どうも魚は浮いていないようだ。
それではと、ルアーを自作スピナーベイトに変える。障害物直下、岸沿い、その間、いろんなところに深度を下げて引いてみるが反応はない。
魚探のフィッシュマークもポツリポツリだ。
キャストすればすぐ釣れると吹き込まれていた息子は、寒さを訴え縮こまってしまった。
ここはなんとか釣って見せなければ、息子の“やる気”はすぐさま“帰る気”に変わってしまうだろう。加えて「やっぱり釣れんかった」と嫁に言われるのもしゃくではないか。しかし、手を尽くすが反応はない。
そこで釣れた前回と比べることにした。前回は下げ潮で今回は満ち潮である。つまり潮の流れる方向が前回と違うのだ。流れる潮が岸壁にぶつかっていない。これではシーバスのエサとなる小魚=ベイトがこの一体に集まらないではないか。
対処法はすぐに出た。
「場所を変える」
そう、ベイトがいなければシーバスは釣れねぇ・・のである。
この手の切り替えは、スパッとして早いほうがよい。同じ場所で粘り強く頑張っているうち、他の場所でのチャンスが逃げてしまう。
南側のストラクチャーへ向かった。
途中、海保のブイをジギングで攻めたり、岸壁に積んであるテトラポッドをバイブレーションで攻めてみたが反応はなかった。
さぁ、着陸側のストラクチャーだ。
前回は、沈めた自作スピナーベイトを巻き上げる過程で反応があった。
今回もそれに倣って障害物直下を攻めてみる。が、反応はない。どうも何かが違う気がする。
息子は、シートの上でとうとう横になってしまった。
「これはまずいなぁ」とボウズを想像し始めたとき、東京湾でのシーバスジギングをふと思い出した。この東京湾でのシーバスジギングとは、メタルジグをただゆっくりと巻き上げるだけの手法である。私はそれまでのハイピッチショートジャークをやめ、スローに巻き上げてみることにした。
するとどうだ、一発目でヒット! 上がってきたのは30cmのセイゴだった。東京での“ご当地作法”は、ここ九州でも有効だったという事か?
するとこれを見ていた息子が起きあがった。
「お父さん、釣れたん?」

これは“釣れる状況になったのか?”という確認だと感じて、「今日の釣り方を見つけたぞ」とお父さんは誇って伝えた。
釣りの面白さには、“その日の釣り方を見つける”という部類があり、多くの範囲を占めている。もちろん息子に理解できるわけもないが。
釣り方を教えられた息子は、その後オニカサゴをつり上げる。これは通称「ホゴ」といって煮付けにすると美味い。他に50cmほどのフッコをバラした。
土壇場で見つけたこの釣り方は、細かなロッドワークも必要ないからファミリーフィッシングに向いている。結果はオーライだ。

今回の目的には、息子に釣らせることの外に、初導入したハンドコントローラーを試すことがあった。これを駆使して、一本一本の誘導灯をなめるようにボートをアプローチさせた。
こんな時、ハンドコントローラーはとても有効だ。フットコンでは難しかった推進力の調整も、ボートを左右に向ける操作も、バウレールに結びつけたコントローラーで細かく瞬時に調整できる。
その後息子に操作を任せたが全く問題はなかった。それだけボートコントロールがたやすくできると言うことだ。
フットコンからハンドコンに変えたが納得のいく結果となった。
釣りも終わり、今回はいいことが2つあった。
ひとつは息子に釣らせることができたこと。子供に有効な手法を見つけたし、何より息子が面白いと感じたことだ。
次に、海に落ちたフットコンの代わりのハンドコンが想像した以上に有効だったこと。一回の釣行時間のうちでも長く使っている。もう、エレキ無しでは釣りにならないと感じるほどだ。この2つはうれしい出来事だった。
対して、悪いと言うか恐ろしいことが一つあった。
それは私のボートの案外近くで海難事故が発生していたことだ。
手を替え品を替えあれこれと試している私のボートのすぐ近くを、漁船が凄い勢いで何度も通り過ぎていった。
水平線の向こうには、貨物船らしき影と、いくつかの漁船らしき影が見えていた。
まさか、見張り不十分の貨物船に漁船がぶつけられていようとは、そのとき思いもしなかった。
港沖7kmでの事故だ。
漁船は真っぷたつに折れ、70歳の船長が亡くなった。
これは対岸の火事などではではない。
海は常に裏腹なのだ。
自分に十分言い聞かせねばならない。

今回のポイント
1.
2.
3.
4.
Posted by ささ at 00:00
│ボート釣り