2006年06月13日
(旧・過去ログ) 今度は一人でナイトシーバス

2006.613 中潮 満潮→下げ 北風3m
先日の、親子での釣果に気をよくしたのだろう、平日だというのに私はナイトシーバスへ出かけた。場所は前回と変わらずだ。
電灯と言って、赤い灯火がポンワリ海を照らしているものと私は想像していた。しかし、北側に見える灯はといえば、家庭用60wの赤電球が、チカチカと点滅するだけのものでしかなかった。
「暗いぞ。これじゃぁシーバスは寄ってこないな・・・」
がっかりした気持ちを立て直し、暗い夜の海を北側に進めた。
夜間走行にあたってHHはドッキングライトという2つのヘッドライトがついている。これは、夜にトレーラーから上げ下げする場合、大きく役立つ。
では、夜の走行はどうだろう。
滑走状態に入ったHHのドッキングライトは、多くが夜空を照らしている。海面も照らしてはいるものの、5m先が精一杯だ。これでは思いっきり飛ばせない。
気にしているのは夜の無灯火船だ。これには何より気をつけねばならない。気持ちよく飛ばしていて、直前で確認できたが避けきれず接触・・なんてケースが十分に考えられるからだ。否応なく死亡事故に直結する。中でもミニボートや漁船が結構いるらしい。
エンジンを3000回転にキープしたまま、せかされる気持ちを抑えながらゆっくりと進んだ。

時間をかけて反対の南側についた。
遠くから見る灯も、北側と同じように小さな明かりが点滅している。
「ここはこんなものなのか・・・」
気を落としかけた時、15本あまりあるストラクチャーの中央付近に一際異彩を放つ強い明かりを見つけた。
「こんな夜中に工事か?」
そう思うほどの明かりだった。
スピードを落としながら近づく。違った。この灯には大きな電球が海面を照らすように設置されている。
スズキが集まる電灯とはこれだったのだ。3本足のすぐ隣りに2本だけ、煌々と明かりを灯したそれはあった。
よく見れば、20フィートくらいの遊漁船が一隻いるではないか。3本足の灯に係留しようとしている。
この明かりを丹念に攻めようと思えば、なにがしかの方法で船をステイさせなければならない。この遊漁船はロープで係留させる方法を選んだのだろう。
私は、迷わずエレクトリックモーターをセットした。これにはオートパイロットが装備されている。係留やアンカリングする必要はない。
満潮の時間を過ぎ引き潮であることを時計で確認した私は、昼間の経験上、沖から岸に向かってほぼ直角に潮は流れると判断。まずは流れの上から灯の列を横切るラインに乗せた・・ つもりだった。しかし、予想したコースとは違い、ボートは若干斜めに流されていく。
「あれれ?」
岸に向かって垂直にではなく、若干南側に潮は流れている。昼と夜では流れに違いが出ると言うことだろうか?であれば月の引力の影響か。
乏しい推測はすぐさま底をつき、流れの上から再度アプローチすることになった。
今度は並ぶ灯を平行に進める。エレキを使ってゆっくりとだ。
キャストは明かりの切れ目、暗闇から明かりの中、明かりから暗闇へといろいろ引いてみる。ルアーはブリブリと動き、深度の深いタイプだ。しかしアタリはない。
2隻で分け合った2本の灯の、自分側を通り過ぎようとする。思い切って電灯ギリギリに着水させた。
その引き始めたすぐ後、“クン!”と言うアタリとともに、40cmあまりのセイゴがヒットした。
ロッドホルダーに突っ込んでいたネット(タモ網)を素早く引く抜き、頭からネットに導く。やった!キャッチだ。

その後、オートパイロットをもっと有効に駆使すべく、流れの下にボートを回した。
灯にエレキのヘッド向け、OPボタンを押す。あとは細かな推進力の調整だけだ。
近づいては弱め、離れれば少し強める。前回試したハンドコントローラーはここでも頼りになる。
流れの下から引くとあって、ルアーはブリブリとは動かない。それではと、バイブレーションに変えてみる。若干沈めてリトリーブだ。
すると小さくコツンというアタリ。しかし乗らない。より小さなセイゴではないか。先ほどボートに近づいてきた50cmオーバーのダツではなかろう。その後、自作メタルジグに変えてみるも、状況は変わらなかった。
一方の遊漁船が離れてからどれくらいたっただろう。時計が午前1時を指していることを知り、私も帰ることにした。帰りも同じく3000回転をキープだ。
話の終わりに、怖い思いが2つあったので記しておこう。
ひとつは漁船とすれ違ったこと。
この漁船は航海灯などちゃんとつけていたのだが、離れているうちは、海保のブイに明かりがついているものと勘違いをしていた。つまり、暗闇の中では直進してくる距離感が全くつかめないと言うことだ。
距離をあけた「行会い」の形だったので危険ではなかったのだが、かなり近づいて漁船だとわかった。
もうひとつ。
ここの沖には2カ所の浅瀬とそれに伴った岩礁が顔を出している。
怖いのは岩礁だ。空港からかなりの沖にあり、暗闇の中からいつ顔を出すかわからない。ここは気を抜けない航海路だ。
「怖い怖い」と思っているほど呼び込むものかもしれない。だだっ広い沖でその岩礁はいきなり顔を出した。大きくステアリングを切り回避する。スピードは押さえ気味だったので問題はなかったのだが、ヒヤリとする瞬間だった。
この2点には共通するものがある。それは、夜はふとしたことでも恐怖心に駆られるというもの。こんなとき、方法は一つ。安全に安全を重ねてゆっくりと進む事だ。
この釣行記に記して、再度自分に言い聞かせよう。
今回のポイント
Posted by ささ at 00:00
│ボート釣り