2006年08月27日
(旧・過去ログ) 雨のオカッパリは若返る?
2006.8.27 中潮 強風
東京から帰ってきて、体を休める暇もなくボートで出撃である。今夜は不良高校生を誘ってナイトシーバスに出かけよう。
この不良高校生は、高校時代の先輩の子供である。うちの子が小学校4年生だから、2つ上の先輩で、すでに高校3年生の息子がいるというのはなんだか驚きである。加えて、私の行為に高校生を夜釣りに誘うのはどうかという意見もあろう。正直私も誘うべきではないと考えていた。しかし、どうも彼のご両親=高校時代の先輩はかなりの放任主義のようで、細かな事項を聞いていると、「まぁ、いいかぁ・・」という気持ちになるのである。そんな流れと高校生の彼が強い意思を示したため、両親の許可と私が挨拶することを条件として、ナイトシーバスに誘うことをOKした。いずれにしても誘ったのは私であり、未成年者の管理責任は私にある。
さて、自宅を出たころからやんだはずの雨が降り出した。彼の自宅前に着いたときは本降りの雨となっていた。
到着した旨電話を入れると、母親を伴って彼は出てきた。まずは母親と挨拶だ。向こうは高校時代の私を覚えているらしいが、私のほうに記憶がない。硬い挨拶をしようと近づくと、あっけらかんとした返答が帰ってくる。気さくな応答に、私もすぐ打ち解けることができた。「行きたければ行っていいよ」という雰囲気だ。
一通りの会話と確認を済ませた私は、無理をしない約束を母親に告げて、今夜のポイントに向かうことにした。
車の中で彼といろんな打ち合わせをしておく。現地で雨が降っていたら出船しないこと。11時までには帰り着くことなどだ。現地に着いて「さぁ、どうしようか」などと言っていたら、若い彼は「行こう!行こう!」と頑張るだろう。ボートからのナイトシーバスとあれば、早々チャンスがあるわけではない。だから早めに釘を差しておいたわけだ。
今年高校を卒業する18歳の彼は、40歳のオジサンが硬い意思を持っていると察したのか、その日無理を言うことはなかった。当時の私より彼は大人だ。
今回は夜の電灯が目的地で、スロープはすぐ近くの港からの予定だった。
その港に着くと、雨は小降りになっていた。しかし、今日の不安定な天候を考えると、いつ本降りに変わってもおかしくない。今日は出船しないことを彼に告げる。かわりにオカッパリをしようと言う話になった。
ならばポイント探しだ。港出口をまたぐように通る橋の下では、すでに釣り人が集まっている。アジを釣っているようだ。橋の下なら雨もしのげるということだろう。我々は対岸に廻ることにした。
海側にあたり沖まで張り出す対岸の防波堤の先には、電灯がぽつんと灯されている。運よく誰も立っていない。こういうときは我先に到着し、ルアーをプレゼンテーションする者が魚の顔を拝める。車やボートの整理をしてる間に、彼は一目散にポイントへ向かう。
私が防波堤の先端に着いたときには、すでに彼はシーバスをキャッチしていた。そこにいて、エサを求めていた魚と思われる。
彼にしてみればしてやったりだろう。もちろん私が腹を立てる理由はない。こういう部分で釣果は分かれるものなのだ。今年最初のキャッチだと言うので写真を撮ることにした。

写真を取り終えた後も、彼はA級ポイントである先端に居続ける。いればまた掛かるだろうな、などと思いながら私はB級ポイントを攻める。すると、彼にまたヒットだ。今度はそこそこよさそう。
高い足場だというのにドラグを鳴らしながら良く走る。ひとしきり楽しんだ後、折れるんじゃないかと思わせるほどの力で抜き上げたシーバスは、50cmほどであった。しかし、サイズの割に体高がある。なかなかのナイスフィッシュだ。

さて、ならば次は私であろう。先端から動こうとしない高校生を後目に舗装されていないテトラ積みへ移る。立ち位置を左にずらせば先端まで見渡せる。
なるほど。ここは風が右から左へと吹いており、港から吐き出される濁りと流れが運ぶクリアな潮が先端でぶつかっている。条件がそろっていたことを確認し、まだ隠れているであろう3番目のシーバスを探すことにした。
表層系ミノー、中層系ミノー&スピナーベイト、底からの巻き上げ系バイブレーション。いろいろ試してみる。お互いに軽いアタリが時折あるものの、針掛かりには至らない。「今、あたった!」とか、「おっ、いるいる!」という言葉が飛び交うだけだ。
そうこうしているうちに、一時やんでいた雨が、また本格的に降り出した。「帰ろう」と声を掛けるが彼は帰ろうとしない。聞こえないふりをしているのだろう一向にかまわない様子だ。結果、私もつきあうこととなる。雨の中ロッドを振りながら、「そういえば若い頃は雨など苦ではなかったなぁ・・」などと思い返す。一緒にロッドを振っていると、「俺も若い事してるなぁ」などと、なんだか気持ちが若返ってくる。貴重な時かもしれないと思う。
そのうち流れが変わり、先端の濁りとクリアな潮目が左に移動していることに気がつく。「これはチャンスだよ」と彼に教え、板重りを付けた中層系ミノーを引く。すると濁りとの境目で「コッ!」というアタリ。「ほら、狙い通りだろ」などと、さも経験があるように私は話す。アドバンテージを示したいほど若い彼に刺激されていたのだろう。
その後も続けるが、待っている次なるシーバスの回遊もなく、お互いきりがついたのだろう。顔を見合わせ釣りを終える事にした。
かかってびっしょりと背中を濡らした雨も、いつのまにかあがっている。やむまで釣り通したというよくわからない頑張りに、なぜか私は満足していた。
今回のポイント
1.出船を断るときは、毅然とした意思で伝えること。
2.若い子との釣りでは、気持ちも若く!
3.釣果経験の少ない港では、波と濁りの絡みが良いポイントに。
東京から帰ってきて、体を休める暇もなくボートで出撃である。今夜は不良高校生を誘ってナイトシーバスに出かけよう。
この不良高校生は、高校時代の先輩の子供である。うちの子が小学校4年生だから、2つ上の先輩で、すでに高校3年生の息子がいるというのはなんだか驚きである。加えて、私の行為に高校生を夜釣りに誘うのはどうかという意見もあろう。正直私も誘うべきではないと考えていた。しかし、どうも彼のご両親=高校時代の先輩はかなりの放任主義のようで、細かな事項を聞いていると、「まぁ、いいかぁ・・」という気持ちになるのである。そんな流れと高校生の彼が強い意思を示したため、両親の許可と私が挨拶することを条件として、ナイトシーバスに誘うことをOKした。いずれにしても誘ったのは私であり、未成年者の管理責任は私にある。
さて、自宅を出たころからやんだはずの雨が降り出した。彼の自宅前に着いたときは本降りの雨となっていた。
到着した旨電話を入れると、母親を伴って彼は出てきた。まずは母親と挨拶だ。向こうは高校時代の私を覚えているらしいが、私のほうに記憶がない。硬い挨拶をしようと近づくと、あっけらかんとした返答が帰ってくる。気さくな応答に、私もすぐ打ち解けることができた。「行きたければ行っていいよ」という雰囲気だ。
一通りの会話と確認を済ませた私は、無理をしない約束を母親に告げて、今夜のポイントに向かうことにした。
車の中で彼といろんな打ち合わせをしておく。現地で雨が降っていたら出船しないこと。11時までには帰り着くことなどだ。現地に着いて「さぁ、どうしようか」などと言っていたら、若い彼は「行こう!行こう!」と頑張るだろう。ボートからのナイトシーバスとあれば、早々チャンスがあるわけではない。だから早めに釘を差しておいたわけだ。
今年高校を卒業する18歳の彼は、40歳のオジサンが硬い意思を持っていると察したのか、その日無理を言うことはなかった。当時の私より彼は大人だ。
今回は夜の電灯が目的地で、スロープはすぐ近くの港からの予定だった。
その港に着くと、雨は小降りになっていた。しかし、今日の不安定な天候を考えると、いつ本降りに変わってもおかしくない。今日は出船しないことを彼に告げる。かわりにオカッパリをしようと言う話になった。
ならばポイント探しだ。港出口をまたぐように通る橋の下では、すでに釣り人が集まっている。アジを釣っているようだ。橋の下なら雨もしのげるということだろう。我々は対岸に廻ることにした。
海側にあたり沖まで張り出す対岸の防波堤の先には、電灯がぽつんと灯されている。運よく誰も立っていない。こういうときは我先に到着し、ルアーをプレゼンテーションする者が魚の顔を拝める。車やボートの整理をしてる間に、彼は一目散にポイントへ向かう。
私が防波堤の先端に着いたときには、すでに彼はシーバスをキャッチしていた。そこにいて、エサを求めていた魚と思われる。
彼にしてみればしてやったりだろう。もちろん私が腹を立てる理由はない。こういう部分で釣果は分かれるものなのだ。今年最初のキャッチだと言うので写真を撮ることにした。

写真を取り終えた後も、彼はA級ポイントである先端に居続ける。いればまた掛かるだろうな、などと思いながら私はB級ポイントを攻める。すると、彼にまたヒットだ。今度はそこそこよさそう。
高い足場だというのにドラグを鳴らしながら良く走る。ひとしきり楽しんだ後、折れるんじゃないかと思わせるほどの力で抜き上げたシーバスは、50cmほどであった。しかし、サイズの割に体高がある。なかなかのナイスフィッシュだ。

さて、ならば次は私であろう。先端から動こうとしない高校生を後目に舗装されていないテトラ積みへ移る。立ち位置を左にずらせば先端まで見渡せる。
なるほど。ここは風が右から左へと吹いており、港から吐き出される濁りと流れが運ぶクリアな潮が先端でぶつかっている。条件がそろっていたことを確認し、まだ隠れているであろう3番目のシーバスを探すことにした。
表層系ミノー、中層系ミノー&スピナーベイト、底からの巻き上げ系バイブレーション。いろいろ試してみる。お互いに軽いアタリが時折あるものの、針掛かりには至らない。「今、あたった!」とか、「おっ、いるいる!」という言葉が飛び交うだけだ。
そうこうしているうちに、一時やんでいた雨が、また本格的に降り出した。「帰ろう」と声を掛けるが彼は帰ろうとしない。聞こえないふりをしているのだろう一向にかまわない様子だ。結果、私もつきあうこととなる。雨の中ロッドを振りながら、「そういえば若い頃は雨など苦ではなかったなぁ・・」などと思い返す。一緒にロッドを振っていると、「俺も若い事してるなぁ」などと、なんだか気持ちが若返ってくる。貴重な時かもしれないと思う。
そのうち流れが変わり、先端の濁りとクリアな潮目が左に移動していることに気がつく。「これはチャンスだよ」と彼に教え、板重りを付けた中層系ミノーを引く。すると濁りとの境目で「コッ!」というアタリ。「ほら、狙い通りだろ」などと、さも経験があるように私は話す。アドバンテージを示したいほど若い彼に刺激されていたのだろう。
その後も続けるが、待っている次なるシーバスの回遊もなく、お互いきりがついたのだろう。顔を見合わせ釣りを終える事にした。
かかってびっしょりと背中を濡らした雨も、いつのまにかあがっている。やむまで釣り通したというよくわからない頑張りに、なぜか私は満足していた。
今回のポイント
1.出船を断るときは、毅然とした意思で伝えること。
2.若い子との釣りでは、気持ちも若く!
3.釣果経験の少ない港では、波と濁りの絡みが良いポイントに。
Posted by ささ at 00:00
│サーフ・岸ジギ